社労士事務所3bコンサルティングの伊藤です。
先日発表となりました、キャリアアップ助成金の要件変更についてご案内いたします。
◇キャリアアップ助成金とは
キャリアアップ助成金とは厚生労働省管轄の助成金で、非正規労働者の処遇改善により受給が出来る助成金です。助成金の中でも特に取り組みやすく、大変人気の助成金であり活用されている企業様が非常に多くいらっしゃいます。その中でも様々なコースがありますが、一番人気となっているのが有期契約の社員を正社員に転換するいわゆる『正社員化コース』です。国や自治体も近年の労働力人口の減少に伴い、積極的に正社員化を推進しています。この人気の正社員化コースで大きな変更がありますのでご案内いたします。
◇変更点
契約社員と正社員の定義が今まではざっくりとは決まっていましたが、今回から明確に定められることになりました。契約社員は『賃金の額または計算方法が「正社員と異なる雇用区分の就業規則等」の適用を6か月以上受けて雇用している有期または無期雇用労働者』となり、正社員と同じ賃金体系や計算方法である契約社員はキャリアアップ助成金内では契約社員と認められないこととなります。正社員は『同一の事業所内の正社員に適用される就業規則が適用されている労働者ただし「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」が適用されている者に限る』となり、昇給と賞与制度or退職金制度があるような正社員でないと、キャリアアップ助成金内では正社員と認められないこととなります。
その他細かな変更はありますが、上記の変更は非常に影響を受ける企業様がいらっしゃると思います。今後は就業規則や賃金規定の整備をしっかりとした上で契約社員を正社員化する必要があり、単に転換の際に昇給だけ行い、新しい雇用契約を締結しただけでは正社員化とは認めてもらえない可能性が高いです。まだ発表ベースですので、実際の実務上でどのように取り扱われるのかは今後の行政次第ではありますので、ハローワークや助成金事務センター等、窓口の実際の対応で新しい情報がありましたら再度ご案内いたします。
社労士事務所3bコンサルティングでは、引き続き労務に関するトピックをご紹介します。